書くこと、賭けること

どうもはじめまして。スロ小説家のブログです。

すべての書かれたもののうちで私が愛するのは、自分の血で書かれたものだけだ。
血で書け。そうすればきみは、血が精神であることを経験するだろう。

フリードリヒ・ニーチェ 永井均訳
「ツァラトゥストラはこう語った」
読むことと書くこと、より

書評のようなもの。

バケモノの子を見て


8/6
夏休みの宿題2016



ちょっと前に金曜ロードショーで放送された「バケモノの子」をようやく見た。

孤児というか浮浪者に近いような状態に自ら陥った人間の男の子が、迷い込んだバケモノの世界でなぜか人間的な価値観を得ていく(成長していく)。というような、ステレオタイプ(類型的)なお話だった。

ステレオタイプ、と書いたが、そもそも異世界ものの結末というのは限られている。

1、元の世界に戻る。

これが最もポピュラーな結末だ。というか、ほとんどの異世界ものはこのパターンを踏襲する。なぜなら、それを見ている我々がそうだから。その物語の中に入って、感動し、そして現実世界に戻る。つかの間の非現実世界に酔いしれ、映画館から出て、ああ楽しかったね、と安心してお家に帰る。

2、 異世界にとどまる。

その世界から出れなくなるパターンは、ホラーの常套手段である。「口避け女」「メリーさん」
その手法はより強い非現実感を醸し出す。あるいは方向性を逆に向けるとギャグやコメディになる(始球式に出張ってくる山村貞子)。しかし自らこの選択を下す主人公もいる。たとえば漫画版の「風の谷のナウシカ」、「もののけ姫」、宮崎作品に強い影響を受けたであろう「アバター」

3、世界を壊す。

なかなかこの結末にチャレンジできる作り手はいない。それは大量虐殺であり、たいていは、ポカン、となってしまうからだ。漫画の「デビルマン」、旧劇の「エヴァ」、物語は途半ばではあるが、 「ベルセルク」の蝕もそうかもしれない。
17歳、新宿の映画館で旧劇「Air/まごころを、君に」を見たぼくの魂はその後、帰ってこなかった。トラウマ必至。極めてリスキーな幕の引き方である。

さて、バケモノの子はどうだっただろう?

ここからは細田作品におけるネタバレ的な言及があるので、見る予定のある人は後で会いましょう。



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