尖端論
昔の話ですが、俳優を目指していた頃がありました。
当時はよくオーディションを受けていた。今のぼくも、小説を書いて、年に2~3作を文学賞に送っている。形は違えど、セレクトされる、という意味では変わらない。あんまり好きなイベントじゃないですねえ。
セレクション、オーディション、いったいどうやったら通るんですかね。今日はその方法論について、今のぼくの考えていることをまとめてみたいと思います。オーディションを通らない人間のオーディション論、反面教師的に冷めた目でご覧いただけると嬉しいです。続きを読む
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
つばきし はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
寿注:原文では、唾し(つばきし)
「春と修羅 (mental sketch modified)」宮沢賢治より
年末にアメトーーク大賞を見ていて、今からお笑い芸人を目指す人は大変だなあと思った。
一言で言えば、極まっとる。と思った。あの場所で、並み居る芸人を抑え、一番目立たなければいけないのだ。あたりまえだけど、ぼくにはそのような芸はまったく思いつかない。
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すごい人は、そのすごさがすぐわかる。
たとえば香川真司。彼のすごさは一目瞭然である。狭い場所で活きるクイックネスと敏捷性。
たとえば長友佑都。彼のすごさも一目瞭然である。あの無尽蔵ともいえるスタミナと、当たり負けしないタフネス、もちろんクイックネス。
身長で劣る、パワーで劣る、しかし俊敏性とスタミナでは負けない。
このふたりが体現していることが、スポーツにおける、日本人の鑑なのだと思う。
あるいは本田圭佑。彼のすごさは前述のふたりに比べれば幾分わかりにくいが、それでもあの精神力とフィジカルの強さは特筆に価する。
では、今シーズン、最もヨーロッパで活躍した日本人サッカー選手は誰だったか?
ほとんど満場一致でひとりの男の名前が返って来るのではないか。
15得点という、ヨーロッパ五大リーグにおける日本人歴代最多得点をたたき出した「岡崎慎司」である。
では、岡崎のすごさはどこにあるのだろう?
泥臭さ? その献身? ゴールへの意識? 地を這うようなボールにすらダイビングヘッドを試みるその勇気?
本人も言うように、彼は足がそれほど速くはない。身長も高くない。鋼のようなフィジカルを持っているわけでもない。すさまじい上達を遂げたとはいえ、足元の技術だけで勝負するタイプの選手ではない。
では、彼の何が今シーズンの活躍を支えたのか。
思うに、彼のすごさはカテゴライズできるものではなく、むしろ「岡崎慎司」という存在そのものではないか。
エゴイストという言葉を嫌い、年上だろうと年下だろうと、どこでも誰にでも通用する脅威のいじられキャラにして、家庭ではパパとして、サッカー界の「出川哲郎」を目指すと断言するその存在が。そしてその存在がピッチで見せるゴールという唯一無二のパフォーマンスが。
たとえば芸能界で言えば、「所ジョージ」それから「ユースケ・サンタマリア」という人も同じような匂いがする。三月に死去された安西水丸さん(イラストレーター)もぼくの中では共鳴していた。それは一言で言えば、代替の利かない存在ということだ。
何だかよくわからないというのは、それ単体では弱点である。が、何だかよくわからないけど結果を残す。あるいは、何だかよくわからないけれど重用されている。何だかわからないけど存在感がある。何だかわからないけど何だか良い。それは間違いなく、問答無用ですごいことなのだ。
誰が見てもすごいというのはもちろん天才の資質である。
が、何がすごいのかわからないが、しかし世にはばかる才能こそ、天才と呼ばれるべきではないか?
天に愛され地に生きる人間として。
しかしそのような本当の才能を見抜けない我々一般人からすると、妬ましく映ることがあるのも事実。あるいは、数値化できるもののみをありがたがる現代の特性かもしれない。
そのために批評家がいるのではないか、と思う。批評とは、言葉にできぬ領域に光を当てる仕事だと個人的には思う。それは、言うまでもなく創造行為である。が、自分の欲求不満を晴らすだけの悪口のいかに多いことか。
ゲーテは言う。「優れた相手の美点に対する、対抗手段は、愛以外にありはしない」と。
寿はサッカー日本代表(もちろん男女ともに)を応援しています!
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また、スロットを打つなかで、トレードをするなかで、
はみ出たものを一所懸命につづったものです。
基本的に毎日更新してはいますが、
毎朝グビグビ飲めるというほどあっさりした、
また、健康的な文章ではありません。
油ギトギトのラーメンというほどではないと思いますが、
胸焼け、食あたりを起こす可能性がある由、ご留意くださいますよう。
また、コメントは大歓迎です。
引用ももちろん大歓迎ですが、引用元の記事を明記していただけると幸いです。
それでは今日もはりきってまいりましょう! どこへ? チャートの世界へ。
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