「21世紀的旗手」
私はまだ、甘くもほろ苦い「僕たちの2000年代」を旗として掲げている人に出会っていない。甘くもほろ苦い日々。それはたぶん、僕たちが幸運だった証だ。幸運をそのまま独り占めすると、地獄に落ちる。それはスクルージじいさんの例を見るまでもなく、決まりなのだ。もらったものは別の形で返さなければいけない。が、21世紀全体をレップするなんてのは、僕たちの手に余る。私が掲げたいのは、2000年代の人でなし。ろくでなしではない。色んなロクをもらったから。設定六も。その代わりに失った。何を? という旗。
書くこと、賭けること 寿
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