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オカルトおとこは困惑していた。


ここ二週間、何をしても勝てなかった。


花の慶次の修羅50ゲームスタートで400枚というのもあった。

ガンダムで通常時に最強ベルというのもあった。

同じくガンダム赤七で3連というのもあった。


何かがかみ合わなかった。


左手の小指から、一本一本レバーを叩く指を変えてみたり、念じてみたり、無心をこころがけたりするもダメ、最終奥義、ヘッドバンキングも何の効果も得られなかった。


枕を変えてみたり、勝負パンツをはいてみたりした。


お守りを懐に忍ばせたり、店員にウインクをしてみたり、無言で五分間、じっと防犯カメラを凝視したこともあった。


勝てなかった。


オカルトおとこの肩書きはスロプロである。

頭おかしい、と期待値オトコは嘆息をもらす。しょせんスロプロはスロプーでしかないし、他人から見たらスロッカスでしかないんだ。


が、期待値オトコの言葉はオカルトおとこには届かない。


プロフェッショナルとは何か?


「そうすね。自分だけの方法を持っていることだと思います。世界中の誰もできない自分だけの方法をね」


プロフェッショナルに出演が決まったら、ぜひ言おうと思っている言葉である。


実際、彼に方法などというものはない。基本スタイルは木村魚拓氏を彷彿とさせるような野生の勘である。


収支は年間トータルで微プラ。それはひとえに盟友、期待値オトコのもたらしてくれる情報によるものである。

が、オカルトおとこは、そのことも含め、自分の実力だと思っている。

おれは選ばれし者である、とオカルトおとこは思う。この試練は選ばれし者のみに課せられた義務なのだ、と。


すべてをプラスに変える、そんなポジティブな特性がオカルトおとこにはあるのだった。


「おれは特別に違いない」

根拠はないが、そう確信しているのだった。



期待値オトコは別の店で甘いと噂のバジリスク3を検証していた。


オカルトおとこから連絡を受けた期待値オトコは、バジリスクタイム(AT)が抜けたところで、オカルトおとこがいるというパチンコ屋に向かった。


が、探せど探せどオカルトおとこは見当たらなかった。


「どこだよ?」とラインで送る。

すぐさま「パチンコ」と返って来る。


見るとオカルトおとこ、マックスタイプの牙狼FINALで20箱あまりを積み上げている。


「すげえだろ」とオカルトおとこは笑う。

「根拠は?」と期待値オトコは聞いた。

「ん?」

「その台を打った、根拠は?」

「おれのホラーが呼んでいた」とオカルトおとこは答えた。


「なあ、それ、おまえのためにならないぞ」と期待値オトコは言った。


「何で?」不思議そうな顔でオカルトおとこはクビを傾けた。

「すべてはその台を打つに値する根拠だ」

「だからおれのホラーって言ってんだろ」

「ああ、そう」
 

「ちょっと、待てって。これ終わったら焼肉行こうぜ。おごるからさ」

「ちぇ」と期待値オトコは舌打ちをした。それから哀しそうな顔でこう言った。「おまえがよきゃ別にいいんだよ。おまえがいいんなら。けど……」

オカルトおとこは深くうなずくと、にっこり笑い、「これでいいんだよ」と言った。

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