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ギャンブルが一般的な仕事と少し違うのは、負ける可能性があるということだろう。

労働の対価が反転し、負債になる可能性があるということだ。


どんなに安かったとしても、労働者が働けば報酬が発生し、その報酬(ほとんどの場合お金である)は基本的には累積していく。


もちろん、前時代的なプロレタリアート(労働者階級)、またはポストモダン的なプレカリアート(非正規雇用者、あるいは失業者)を的にした搾取、または詐欺という可能性はあるかもしれない。
小林多喜二の「蟹工船」やブラック企業という問題である。 


しかしその場合、労働者は労働基準法を盾に労働基準監督署に訴える権利があり、また、正当な対価を求めて民事訴訟を起こすことも可能である。



が、ギャンブルで負けて、それらを起こすことはまず不可能だ。それがたとえ、明快な詐欺だとしても難しい。


保険や公営ギャンブル、銀行への貯蓄やFXなどの、主催者側の問題(出走取り消しや倒産など)の場合は返ってくることもあるけれど、それは一般的にギャンブルの負け分とは言えないだろう。


好むと好まざるとに関わらず、

ギャンブラーの契約書には、ただ一言、

「すべては自己責任」

と書いてあるのみなのである。



ゲーテ「ファウスト」の中で悪魔メフィストフェレスはこんな甘言をささやく。


「どうです、手を打ちませんか。御契約をなさいませんか。あなたがこの世にあるかぎりは、わたしの術でたんと面白い目を見せて差し上げます。まだ人間が見たこともないような面白いものをね」と。


ファウストは言う。
「賭けるか」
メフィストフェレスは言う。
「賭けましょう」 


我々はくれぐれも気をつけなければならない。契約書がワナであることを。


人間いつかは死ぬ。けれど、死ぬのはギャンブルに負けたときではいけない。
どんなにいい目を見たとしても、そのせいで死んだら何もならないのである。



ファウストは呪文を唱える。

燃えろ、火の精ザラマンダー
うねれ、水の精ウンディーネ
消えろ、風の精ジュルフェ
勉めろ、土の精コーボルト

ザラマンダーは炎となって消えろ、
ウンディーネは音を立てて流れ寄れ、
ジュルフェは流星となって美しく輝け、
コーボルト、コーボルト、家事を手伝え。
さあ姿を現して、けりをつけろ。

しかしその呪文はメフィストフェレスには効かない。
 

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