初代ハナビで一撃2000枚くらいのコインを得たことがあった。

すると、「おい、てめー態度わりいんだよ」と隣の客に言われた。

「はい?」とぼくは返した。

彼の言っている言葉の意味がよくわからなかったからだ。

「だから態度、態度だよ」

「はい?」

「殺すぞ?」

「はい?」

男はタバコの煙をふうぅとぼくの顔に吹きかけて、もう一度同じ台詞を言った。「態度わりいんだよ」



また、とあるホールでアルゼの「バイオメサイア」を打っていた日のこと。
美しいリーチ目が出て、フラッシュで祝福された。
首尾よくビッグボーナスだった。
ぼくはいつものようにボーナスゲームをこなしていった。

と、どこからか怒鳴り声が聞こえ、見るとパンチパーマの店員が、今から鬼を殺す予定でもあるかのような顔でぼくの顔をにらんでいた。
「コルァー」
「はい?」とぼくは返した。
彼が何について憤慨しているか、皆目検討がつかなかったからだ。 

「出禁にすんぞコラ」

「はい?」

「リプレイは、外すな」

「……はあ」


そんな張り紙どこにもないけどなあ、と思いつつ、ボーナスゲームを消化していると、隣のおじさんの台にリーチ目が。ボーナス確定である。
 
おじさんはボーナスを揃えられずにオロオロしていた。 

リールが黒いうえにチカチカしているため見づらかったのかもしれない。
ぼくはおじさんに「揃えましょうか」と聞き、頼むわ、と言われ、トン、トン、トン、とゴシック調の赤黒い7を揃えた、その瞬間だった。

「コルゥア」という声が聞こえた。
 

さっきの店員が、鬼をミナゴロシにした後、さらに大ボスを倒しに行くかのごとき構えで立っていた。

「コルゥア、こんガキ、アホンダラ、店やったら他にナンボでもあるやろ。ここは目押し禁止の店やねや。出てけボケが。コラ。カス」


ぼくはボーナス終了後、400枚弱のコインを下皿に残したまま席を立った。そして二度とその店に行くことはなかった。


何が良くて何が悪いのかもわからなかった若き日のことである。

 

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