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ぼくたちはエントロピー増大の法則に逆らうように生きている。

が、その実感はない。

構築と解体。

あるいは死と再生。

細胞は死に、新たな細胞が生まれる。

その絶え間のない波を、普段まったく実感していない。


魔法少女まどか☆マギカのキュウべぇが語って俄かに話題になった「エントロピー」とは何か。

福岡伸一という分子生物学者は「乱雑さ」という言葉で表現している。

整理整頓した机の上は一週間も経てばぐちゃぐちゃになる。熱々のコーヒーはやがて冷める。

エントロピー増大の法則とは、秩序のあるものは、その秩序が崩壊する方向にしか動かない、ということである。


すべての生命に平等に降り積もるエントロピー増大の法則の帰結。
それは死だ。


生命がその法則に対抗するために取った手段は何か。自分自身を壊し続けることだった。

食欲、排泄欲。ぼくたちはものを食べ続け、排泄し続けることで、肉体の組成を作り変え続けている。


もちろん、いつかはエントロピー増大の法則に屈して死に至る。でも、その日を一日でも遅らせようとぼくたちの肉体は活動を続けている。


たとえば家に閉じこもって文章を書いているとき、ぼくはほとんど動かない。

それが実感だ。

でも、そんなことは決してない。


脳は動いている。

しかも生命存続装置としての働きも同時に行われている。寝ているときも、がっくりしたときも、いついかなるときも。 



それは海に似ている。すべてを飲み込み、たゆたい、循環させる。あるいは地球そのものである。

地球はもう数十億年もその内容物をほとんど変化させずに回り続けている。

ぼくらはひとりじゃない。



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