書くこと、賭けること

どうもはじめまして。スロ小説家のブログです。

すべての書かれたもののうちで私が愛するのは、自分の血で書かれたものだけだ。
血で書け。そうすればきみは、血が精神であることを経験するだろう。

フリードリヒ・ニーチェ 永井均訳
「ツァラトゥストラはこう語った」
読むことと書くこと、より

2016年08月

真っ赤な美しい火になって燃えて夜の闇を照らして



肉体を殺すことが出来ても、魂を殺すことが出来ない者を恐れるな

イエス・キリスト
IMG_1904


ついにその順番がやってきた。今まで何人も、その状態に陥った人間を目撃してきた。登校拒否をするやつもいたし、別の世界に居場所を移したやつもいた。無視するほうは、理由が重要なわけではないのだ。太平洋戦争と同じだ。戦争した事実はあっても、首謀者の存在は明るみに出ない。ともあれ、次はおれがハブられる番だった。理由はわからない。今でもよくわかってない。しかしジャングルジムの主の座は誰かの手に渡ってしまった。このときばかりはなかったことにはできなかった。生来の運動神経も、ためこんだ知識も、おれの苗字も何の役にも立たなかった。

カブ、というタバコの遊び(というかオマジナイ)があった。当時の日本のタバコには、律儀に1本1本4ケタの数字が記してあって、その4ケタの数字を足して9か19になればカブ(オイチョカブのカブ)といって、よいこととされた。四葉のクローバーみたいなものだ。取り出したタバコの数字が9か19だった場合、その1本(最初に触った1本)は向きを逆さにしてタバコケースの中に戻す。そして裏返したタバコを最後に吸うと願い事が叶う、という、乙女の花占いのような願掛けが流行っていた。イキッていたとはいえ、そこは中学生。どうか前の空気が戻ってきますように、と願いながら、ひとりこっそりタバコを吸った。もちろん願いは叶わなかった。

次に考えたのは、世界の更新だった。学校を休むことは1日もなかった。世界がよきものになりますように。この世界がよりよきものになりますように。そんな文言を唱えながら登下校をくりかえした。おれの祈りの原型は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に出てくるバルドラ野原のサソリの話だった。


「お父さんう云ったのよ。むかしのバルドラの野原に一ぴきの蝎(サソリ)がいて小さな虫やなんか殺してたべて生きていたんですって。するとある日いたちに見附みつかって食べられそうになったんですって。さそりは一生けん命げて遁げたけどとうとういたちにおさえられそうになったわ、そのときいきなり前に井戸があってその中に落ちてしまったわ、もうどうしてもあがられないでさそりはおぼれはじめたのよ。そのときさそりは斯う云っておいのりしたというの、
 ああ、わたしはいままでいくつのものの命をとったかわからない、そしてその私がこんどいたちにとられようとしたときはあんなに一生けん命にげた。それでもとうとうこんなになってしまった。ああなんにもあてにならない。どうしてわたしはわたしのからだをだまっていたちにれてやらなかったろう。そしたらいたちも一日生きのびたろうに。どうか神さま。私の心をごらん下さい。こんなにむなしく命をすてずどうかこの次にはまことのみんなのさいわいのために私のからだをおつかい下さい。って云ったというの。そしたらいつか蝎はじぶんのからだがまっ赤なうつくしい火になって燃えてよるのやみを照らしているのを見たって。いまでも燃えてるってお父さんおっしゃったわ。ほんとうにあの火それだわ。」


ああ、おれは悪いことをしてしまったのだ。だからこんなに寂しいのだ。おれはひとりのサソリなのだ。今度こそ、おれはみんなのマコトのサイワイのために生きたい。おれは一心不乱に祈りながら中学校に通った。

マコトのサイワイは得られなかった。もしかしたら、おれ以外のクラスメイトは得られたのかもしれない。だとしても、おれはそれをよかったとは思えなかった。父親がおれを地元の小学校に通わせたかった理由。それは地元に友だちができるように、という配慮だった。ずっと私立の学校に通っていた父親は、地元に友人がいないことを寂しく思っていたらしい。今のおれは割と日本の広範囲に連絡を取り合う知人がいる。が、地元にだけはいない。

つづく
にほんブログ村 スロットブログへ 

8/29
夏休みの宿題2016



引用は宮沢賢治「銀河鉄道の夜」より

青空文庫 

北斗転生、座って2kでカーネル登場


KIMG8336


疲れてきた……
スロットなんて座って手を動かしてるだけなのにね。


にほんブログ村 スロットブログへ 
「1日1ポチで寿を文壇へ!」
頼む。
             続きを読む

恋の季節


肉体を殺すことが出来ても、魂を殺すことが出来ない者を恐れるな

イエス・キリスト

IMG_6204


覚えておられる方もいるだろうが、1991年の今ごろ、東京で世界陸上が開かれていた。家族はみんな、カールルイスを見るといって(今はなき)国立競技場に出かけていった。このときカール・ルイスは100メートルの当時の世界新記録を樹立し、種目は違うがそのカール・ルイスを破ってつくられたマイク・パウエルの走り幅跳びの世界新記録はいまもって破られていない。列島は即席の陸上ブームに沸いていた。なぜおれがそんな大イベントに参加しなかったかというと、恋をしていたからだった。

当時、ほとんどのクラスメイトはその女子に恋をしていた。当時の親友もその子のことが好きだった。親友と、おれと、その女の子と、その女の子の親友の4人は、その日、共同で夏休みの宿題(自由研究)をするという名目で会っていたのだった。

おれと親友はリアルな銃が見たかった。ふたりの女子は銃には興味がなかったが、宿題を1日で消化することには興味があったのだろう。そこで一挙両得(どころか3得も4得も)をはかるべく、警察官に話を聴きに行くことにした。派出所のドアはおれが開けた。不安神経症の疑いがあるくせに、わけのわからない行動力だけはあった。
「はじめまして。~小学校5年~組の寿と申します。今日は職業研究というテーマでいくつか質問をしたいのですが、かまいませんか?」
警察官は終始ご機嫌で、時に褒めてくれた。しかしそういう空気になればなるほど、銃を見せてくれ、とは言い出せず、結局、職業についての質問に終始するという、夏休みの宿題としては満点でも、少年の心にとっては零点の結果になってしまった(たとえ言っていたとしても、見せてくれたはずがないけど)。

ともあれ、この共同研究はプレミアムな利権だった。誰もがうらやむ既得権益だった。しかしクラスの男子が思い焦がれる女子が好きなのはおれの親友だった。それは何となく感じていた。それでもワンチャンはあるはず。おれたち4人は派出所でのインタビューを終え、公園でワキャキャした。公園の水飲み場の蛇口を目いっぱいひねったりなんかして、4人の体はびしょびしょになった。虎視眈々とワンチャンを狙うはずだったおれは、そのワキャキャで満足してしまった。ダサ、と言うなかれ。そこは小学五年生が望みうる最高到達地点だった。その水しぶきの勢いは、ほとんど世界新記録だった。

同じ女性を好きになった親友とは、小学6年生の3学期を境に疎遠になってしまった。どういう理由があったかは覚えていない。なぜかクラスの空気が彼を遠ざけたのだった。今になってみれば、クラスの男子の嫉妬がその遠因だったのでは、と思う。しかしどんな原因があったにしろ、彼を遠ざけた事実は変わらない。またぞろ、この身を縛る呪いが刻まれた。

卒業式が終わり、男3女3くらいでディズニーランドに行った。そこにかつての親友はいなかったが、その子は笑っていた。こんな幸せがあっていいのか、と思った。しかしこの恋は静かに終わる。別々の中学に通うことになったからである。

つづく
にほんブログ村 スロットブログへ
8/28
夏休みの宿題2016

巻物揃ったー……ってフリーズしとるーwww さらにPBC中にストック3発ってうおおおおい

KIMG8319

シン・ゴジラを見てきた。
KIMG8312 - コピー
エンドロールが流れ終わるとともに自然発生的に拍手が巻き起こった。見終わった後、これほど観客が興奮している映画はエヴァ破かパシフィック・リム以来に思えた。この映画、ゴジラシリーズというよりはエヴァシリーズ。さまざまなメタファーに彩られた興味深い映画でした。

にほんブログ村 スロットブログへ 
「1日1ポチで寿を文壇へ!」
頼む。
            
  続きを読む

ダサ笑


肉体を殺すことが出来ても、魂を殺すことが出来ない者を恐れるな

イエス・キリスト
IMG_8684


父親の考えで、地元の公立の小学校に通うことになった。そこにもまた、ごちゃごちゃ言うやつがいた。体育の時間、50メートルを走る直前のできごとだった。彼は言った。
「おれの足は速いんだぞ」
それまで自分の足を速いと思ったことはなかった。が、その言葉はなぜかおれの胸を焦がした。そのチリチリした感情をバネに地を蹴った。一瞬で彼は視界から消えた。羽が生えたのかと思った。たとえようもないくらい爽やかな気分だった。

席替えやクラス替え、環境が変わるたびに、ごちゃごちゃが現れた。そこで行われるのは明確な権力闘争だった。衝突があり、融合があった。

もしかしたら、この世界は不安に満ちた世界ではないのかもしれない。おれは次なる目標を中学受験に定めた。そこで、予備校のテストを受けることにした。それまでテストというものに苦労したことはなかった。が、配られたテスト用紙を見て、生まれて初めてのび太くんの感覚が理解できた。ムリだ、と一瞬で悟った。どうしたかというと、なかったことにした。この瞬間に見つけた「なかったことにする」という解決方法。これがマズかった。

そんな折、自分よりも腕力のある人間に出会ってしまった。喧嘩というのは単純な腕力勝負じゃない。腕力がなくても戦う術はある。おれの足はそこそこ速い。習っていない問題を解せないレベルではあっても、頭の回転もそこそこ速い。力以外の分野で勝負すればよかったのだ。そのときのおれはどうしたか? そのゲームのような力比べを途中でやめてしまった。なかったことにしたのだ。たぶん、成り行きでつかんだジャングルジムの主の座を守ろうとしたのだと思う。ダサ笑

なかったことになんて、できるはずがないのに。

つづく
にほんブログ村 スロットブログへ

8/27
夏休みの宿題2016
作者 寿
にほんブログ村 スロットブログへ
ふと思う。スロ歴ってどれくらいなんだろう? 今年で20年? そんな経つ? ピーいれたいね。スロットばっか打ってるわけじゃなくて、普段は小説書いてんすよ。ちっとも売れないけどね。つうか売ってないしね。けどこのブログだと読めんすよ。フォウ!

ブログポリシー「my rights sometimes samurai!」
当ブログは、寿という人でなしが小説を書くなかで、
また、スロットを打つなかで、
はみ出たものを一所懸命につづったものです。
基本的に毎日更新してはいますが、
毎朝グビグビ飲めるというほどあっさりした、
また、健康的な文章ではありません。
油ギトギトのラーメンというほどではないと思いますが、
胸焼け、食あたりを起こす可能性がある由、ご留意くださいますよう。

また、コメントは大歓迎です。
引用ももちろん大歓迎ですが、引用元の記事を明記していただけると幸いです。
それでは今日もはりきって行きましょう! どこへ? パチンコ屋へ。
1日1回のポチを。
血がたぎります。

にほんブログ村 スロットブログへ

banner
人気ブログランキングへ
カテゴリー
メッセージ

名前
メール
本文
連絡先 kakukotokakerukoto@@yahoo.co.jp @をひとつ消してくださいませ。
参考ブログor相互リンク先更新状況
相互リンクについて
最新コメント
アクセスカウンター
  • 累計: