投資家と投機家と賭博者の違い⑪
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そのときは、唐突に訪れた。

FXを学びながら「投資」と「投機」の違いを考えているうちに、ふと閃いたのだった。ああ、小説はこういう風に書くのだ、と。寒さまっただなかの二月の中旬のことだった。

見通しが明るくなった。同時に真っ暗になった。ぼくがこれまでしてきたことが報われた気がした。同時に酸素が薄くなってしまったような気もした。何やこの感情は。過呼吸のようにあえぎながら、日々を過ごすしかなかった。

そのうちに春がやって来た。桜が咲いて、桜が散った。お勉強がてらyoutubeを見ていると、おすすめにこんな動画が出てきた。

「たいていのことは20時間で習得ができる」という本の著者によるプレゼンテーションだった。



何かを習得する際によく言われるのは「1万時間」かかるということ。

1万時間といえば、1日に1時間で1万日。1万日といえば27年と少し。1日4時間やったとしても、6.8年かかってしまう。

しかし私たちには時間がない。何とかならないか。何かのスキルを最短で取得するにはどれくらいの時間が必要なのだろう? というのが、この人、ジョシュ・カウフマンのテーマだった。

結論から言うと、20時間で習得できるらしい。

この20時間のルールの要点を適当な語句に訳してみると、

Deconstruct the skill
・そのスキルを脱構築(分解)せよ

Learn enough to self-correct
・自分(のスキル)を自分で修正できるようになるまで学べ

Remove practice barriers
・邪魔なものをどけろ

Practice at least 20hours
・最低20時間は練習すべし

自転車に乗れるようになったとき、逆上がりができるようになったとき、九九を覚えたとき、ぼくたちはほとんど何も考えずにこの作業をこなしていたはずだ。しかし大人になって新しいことを覚えようとすると、子供と同じだけの集中力を発揮するのは難しい。部屋の中は集中に邪魔なものだらけだし(当たり前だが、集中を必要とするものが近くにあると気が休まらない)、インターネットがある。スマホがある。20時間もひとつのことに集中するのが難しいうえに、大人は修正と自己否定とごっちゃにしてしまう傾向にある。自分を修正するのではなく、自分の行動を分解し、修正するのだが、その作業が自分を否定するみたいでつらい。違いを考えるのが面倒くさい。あきませんねえ。

何をするにしろ、早いに越したことはない。しかし年齢を重ねることの利点もある。ああ、これはあれと同じだ、という回路の接続である。経験はポイントのようなものだ。何かに交換しないともったいない。

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