投資家と投機家と賭博者の違い⑥
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ここまで書いてきたように、2020/2021シーズンのぼくの主題は「交換」である。

ぼくが「交換」の訓練として始めたのは、算数だった。もし小学生の頃に戻れたら、ぼくは算数をするのに。という英語の仮定法過去(そういう文法があるのです)の話はさておき、算数はいい。自分の馬鹿さ加減を知るのにディモールトいい。算数のカリキュラムを終え、数学に移行。

算数/数学の勉強と並列して、デモトレードに手を出した。トレード(交換)のトレーニング(訓練)なんだから、そりゃトレードのデモっしょ。便利な時代だ。今はトレードを体験できるアプリがたくさんあるんですね。スマホ版もPC版もある。株にしても、為替にしても、最初に架空のお金(500万円ほど)を与えられて、レッツトレード。

一般的な株取引は、短期間で価格が乱高下することが起きにくいということで、最初に結果が出たのは外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)FXだった。最初の一週間で、20万くらいの儲けが出て、え? これいけんちゃう? と思った。ところで、こんなことが起きた。

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この日のぼくは、昼過ぎにデモトレードで20万ちょい負け、意気消沈し、ポジションを取り直し、ポジションを持ったまま、ぶらりとパチ屋に入ってスロットを4時間ほど打っていた。よしよし、けっこうな期待値を積めたな、とプライドを回復し、パチ屋を出てスマホを見ると……

ひゃ、ひゃくまんえん?

思わず笑ってしまった。たかだか数時間で、百万以上の負債。

何が起きたらこんなことが起きるんだろうか?

調べてみると、ぼくが架空のお金で購入した通貨の国の偉い人が、弱気な発言をしたとのことだった。それだけのことで、これだけのことが起きるということか。

FXというのは、簡単に言えば両替である。大袈裟に言えば両替戦争。たとえばアメリカの通貨「ドル」と、日本の通貨「円」のバトル。

ドルが上がると思えば、ドルを買う。円が上がると思ったら、ドルを売る。予想が当たったら、今度はそのドルを売るか買うかして、その差額をゲットする。この作業が、デモトレードでは親指一本でできてしまう。

普通に両替するだけなら、そこまでのギャンブル性はないのだが、FXというのは、国内業者であれば25倍までのレバレッジが効かせられる。つまり、10万円で250万円の勝負ができるということですね。

これ、やってみるとわかるのだけど、カジノと同じレベル、いや、自分の部屋で、寝転がりながらできることから、カジノ以上のギャンブラーほいほいというか、脳汁の分泌が時間をぐるんぐるん回す。何せマーケット(相場)は、月曜から金曜まで24時間開きっぱなしなので、脳汁の元栓を閉める間もなくひたすらひたすらギャンブリングができるのだ。で、ぼくは快楽スイッチを押し続けるネズミのように架空のお金をかけまくって、ボッコボコに架空のお金をむしりとられた。

架空でよかった、と思う気持ちと、たとえ架空であっても、敗北の事実と金額は、腕がもがれるような気分がすること。ギャンブルは負けたときにハマるというぼくの持論が立証されたようで歯がゆいこと。

8割が負けるといわれるパチンコに対して、FXは9割(以上という説も)が負けるらしい。どれくらい難易度に違いがあるかというと、9÷8で、1.125倍くらいなのだろうが(合ってる?)、体感的には天と地ほどの違いがある。

8割の人が負けるということは、10人の客がいたら2人は勝てるという計算になる。しかし9割の人が負けるということは、10人中1人しか勝てないということだ。パチンコ屋で余裕の王者に君臨している人はいいかもしれないが、ぼくのようなへっぽこスロッターにとってはかなりの難問である。

壁だ。デカイ壁だ。こんなとき、沢北栄治(fromスラダン)は笑う。ジャンプ黄金世代は、悩む。

つづく
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