投資家と投機家と賭博者の違い②
小学生の頃、大金を拾った。
その額、実に6000円なり。これを駄菓子屋で使ったら、何日楽しめるだろうか? 小学生のぼくにとって極めて大きなお金だったが、ぼくはこのお金を警察に届けた。
半年後(だったと思う)、持ち主が見つからなかったということで、そのお金の所有権がぼくのところに来た。おおおおおおおお、と思っていると、母親がすべて台風基金に寄付してしまった。ぼくの名前で。寿
当時の寿は大いに落胆したものだが、今になって思うに、これが人生で初めての投資だった。
投資と投機。いまいち違いのわかりにくいふたつの言葉だが、グーグルで検索すると、その違いを教えてくれる人がばんばんインザビルディングする。Yo! YoYo!
曰く、投機は短期的な儲けを見込み、投資は長期的な儲けを見込む、と。
あるいは、
ギャンブル的要素の強い投機に対し、投資は安定的である、と。
または、
リスクが大きいのが投機、リスクを限定するのが投資である、と。
なるほど。ぼくの理解とほぼ同じ。が、これらの定義ってばあんまり使い勝手よくなくない? とスロッター的に思う。それを知ったところで期待値の上積みはなさそうだからだ。この程度の一般論を屋久島で出会ったAさんが語っていたとは思えない。自分が出会った人の発言を大きく取りたいオーバーレイトなのかもしれないが。
というわけで、時は2020年。コロナショックで生じた裂け目のような時間で改めて考えてみた。投資と投機は何が違うんだろう、と。
考えるときに自分の頭を使って考えるのは、とても(とても)大切なこととは思うのだが、自分の頭だと錯覚しているだけで、誰かの受け売りを再生産しているケースが実に(実に)多く、人間が、ミラーニューロンという神経細胞を活性化させて成長する(まねぶ=学ぶ)生き物である以上、別にそれで構わないというか、それが有効に機能するならぜんぜんオーケイと思うのだが、明らかに今、この世界は有効に機能しておらず、それを有効に機能させる案を出している人がどこにいるのかもわからない。
世界は暗闇に包まれてしまった……
何か動いているもの。動いているもの。と探していくと、このようなニュースが目に入った。
「株価上昇」
たった四文字の情報に、疑問が生じた。どうして閉塞感に包まれた世界で、株価が上がるのだろうか。どこに希望があるのだろうか? その理由を探してみると、閉塞感に包まれたからこそ株価が上がる理路が見えてきた。
どれだけ暗い世界でも、そこを少しでもよくしたいという風に心は思う。パクリにしろ、サンプリングにしろ、ギャンブリングにしろ、何かをプラスにしたいという心の出所は、文化人類学でいうところの「交換」である。
貨幣経済も、広義にはこの「交換」がコミュニケーションの基軸になっている。つまり「交換」こそが経済の最小単位なのだ。外出や支出は我慢できても、交換を我慢することはできない。コロナ禍がもたらした、お金を使う場所の減少☟という現象が、現状「交換」のためのいちばんの道具であるところのお金を使いたい人の「気持ち」を、一気に「株」や「仮想通貨」に向かわせた☝
投資や投機の定義が定まらなくても、その源は確かに人の心。人間の根幹にある交換への欲求であり、欲望である。
……なるほど。これは期待値である。
つづく
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小学生の頃、大金を拾った。
その額、実に6000円なり。これを駄菓子屋で使ったら、何日楽しめるだろうか? 小学生のぼくにとって極めて大きなお金だったが、ぼくはこのお金を警察に届けた。
半年後(だったと思う)、持ち主が見つからなかったということで、そのお金の所有権がぼくのところに来た。おおおおおおおお、と思っていると、母親がすべて台風基金に寄付してしまった。ぼくの名前で。寿
当時の寿は大いに落胆したものだが、今になって思うに、これが人生で初めての投資だった。
投資と投機。いまいち違いのわかりにくいふたつの言葉だが、グーグルで検索すると、その違いを教えてくれる人がばんばんインザビルディングする。Yo! YoYo!
曰く、投機は短期的な儲けを見込み、投資は長期的な儲けを見込む、と。
あるいは、
ギャンブル的要素の強い投機に対し、投資は安定的である、と。
または、
リスクが大きいのが投機、リスクを限定するのが投資である、と。
なるほど。ぼくの理解とほぼ同じ。が、これらの定義ってばあんまり使い勝手よくなくない? とスロッター的に思う。それを知ったところで期待値の上積みはなさそうだからだ。この程度の一般論を屋久島で出会ったAさんが語っていたとは思えない。自分が出会った人の発言を大きく取りたいオーバーレイトなのかもしれないが。
というわけで、時は2020年。コロナショックで生じた裂け目のような時間で改めて考えてみた。投資と投機は何が違うんだろう、と。
考えるときに自分の頭を使って考えるのは、とても(とても)大切なこととは思うのだが、自分の頭だと錯覚しているだけで、誰かの受け売りを再生産しているケースが実に(実に)多く、人間が、ミラーニューロンという神経細胞を活性化させて成長する(まねぶ=学ぶ)生き物である以上、別にそれで構わないというか、それが有効に機能するならぜんぜんオーケイと思うのだが、明らかに今、この世界は有効に機能しておらず、それを有効に機能させる案を出している人がどこにいるのかもわからない。
世界は暗闇に包まれてしまった……
何か動いているもの。動いているもの。と探していくと、このようなニュースが目に入った。
「株価上昇」
たった四文字の情報に、疑問が生じた。どうして閉塞感に包まれた世界で、株価が上がるのだろうか。どこに希望があるのだろうか? その理由を探してみると、閉塞感に包まれたからこそ株価が上がる理路が見えてきた。
どれだけ暗い世界でも、そこを少しでもよくしたいという風に心は思う。パクリにしろ、サンプリングにしろ、ギャンブリングにしろ、何かをプラスにしたいという心の出所は、文化人類学でいうところの「交換」である。
貨幣経済も、広義にはこの「交換」がコミュニケーションの基軸になっている。つまり「交換」こそが経済の最小単位なのだ。外出や支出は我慢できても、交換を我慢することはできない。コロナ禍がもたらした、お金を使う場所の減少☟という現象が、現状「交換」のためのいちばんの道具であるところのお金を使いたい人の「気持ち」を、一気に「株」や「仮想通貨」に向かわせた☝
投資や投機の定義が定まらなくても、その源は確かに人の心。人間の根幹にある交換への欲求であり、欲望である。
……なるほど。これは期待値である。
つづく
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