「心底、人間を愛すべきものにするのは、失敗である」

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 


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午前11時のブンガク。どうやら好評のようで(エスパー)。第三回、行きます。

年齢を重ねるのと比例して、自分のミスを認めるのが難しいという現実がある。あれ、何でだろうね。「ああ、間違えた。申し訳ない」と言うだけで済む問題だったりするのだけど、ゴニョゴニョ言ってごまかそうとする。たぶん年齢を重ねるとともに、余計なものがどんどん体に付着してしまうのだろう。悪性の脂肪みたいに。だから小回りがきかない。失敗を認めることができない以上、他人からは愛されない。

我が主人公もそう。自分のミスを認めない。そのくせ、面倒だ、面倒だ、とばかり言っている。老害か。

老いによる弊害なのか。老いそのものが害なのか。いずれにせよ、老害という言葉は、年齢を重ねるということについて、ある種の真実を伝えている。

「エントロピー増大の法則」


どんな部屋でも、使っているうちに汚れていく。いくら掃除をしても、経年変化までは食い止められない。これはすべてを司る法則なのだ。しかし食い止められないからといって、掃除を止めたらどうなるか? おめでとう。汚部屋の誕生である。

ぼくが30代後半の男性を主人公にした小説を書く中で得た教訓は、人に嫌われたくなければ、掃除を怠ってはいけない、ということ。

ただし、この世の中には、何をしてもゆるされる人間というのが、ごく少数存在している。

・王様

・神様(天才のこと)

・お子様

つまり、ほとんどの人間は、無敵状態を経験している。しかしその無敵状態の経験が、数十年を経て、無援護状態の温床になってしまう。何とも皮肉なこの世界。

掃除、しよう。

つづく
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