このゲームに参加するには本物の魂がないとダメだ、寺の坊主が木魚を真剣に叩いてるよう、ドラマーがスネアを叩いてるように。そこに乗ってる俺たちのラップも、坊主が読むお経みたいに真剣で、そういうスタイルのライム・フロウだ。これができる境地に達したら、その教えに火を灯してハイになって、夜空に上げるような気持ちになろうぜ、そこまでなれるんだったらお前も天までトべる、だから発電して発言していこうぜ

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XYZ the afterword Ⅰ



仕事をクビになったのは27歳だった。酔いの席での些細な喧嘩が原因だった(とぼくは思っていた)。人生は終わった、と思った。

あれから8年が経ち、ぼくは35歳になった。その間、社会的な経験をまったく重ねていない。もはや浦島太郎。同時代人が当然のようにしてることを成していない。共有してもいない。旧友の子どもに「おじさん。こんにちは」と言われても、何言ってんだ、この子? 誰がおじさんだって? と不思議に思う自分がいる。ぼくの8年と世間の8年。ぼくの認識と現実の速度。はずれてしまったレール。広がり続ける断絶。ぼくはこの8年、文章しか書いていない。

【間隙(かんげき)】

取り返しようのない膨大な時間。


先日、ぼくをクビにしたかつてのボスに会う機会があった。思い切って彼に訊ねてみた。
「なぜ俺をクビにしたの?」と。
 彼は少し迷った後、こう答えた。「人に相談して決めた」と。
「そうなんだ」と言った。それからのことはあまりよく覚えていない。起きると家で、恐ろしい二日酔いに苛まされた。






【間隙(かんげき)】








二日酔いから開放されても、この胸の痛みからは解放されない。はい。今でもぼくはあの日々を懐かしく思う。そして、できることなら戻れたら、なんて考えてしまう。何かを失うとはそういうことなのだ。

それでも今、ぼくは迷わず言える。センキュー、と。ぼくは何かをするときに、必ず自分で決断する。何があっても他人に何かをゆだねたりしない。
「なぜクビにしたのか?」
「(だれそれ)に言われたから」
そんな卑怯なことは絶対に言わない。ぼくは自分の裁量と熱量で判断し、決断する。何でもいい。やりたきゃやるし、飲みたきゃ飲む。ゲスでもいい。I guess,

あのときクビを切ってくれてありがとう。おかげでこの小説を書けた。

20歳を過ぎても俺天才。30歳を過ぎても俺天才。いつまで経っても俺天才。リアルにイルネス。ただの病気。

万歳。自己顕示欲。万歳。承認欲求。ビバ。俺という病気。転がり落ちてよかった。この小説を書けた。ありがとう。

書くこと、賭けること 寿
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