イエー、金曜ロードショーインザハーウス!


久々に「マジョタク」が金曜ロードショーで放送(本日21:00~)!
ということで、以前書いた書評のようなものからマジョタク部を再構成して掲載します。

「魔女の宅急便」

宮崎駿が角野栄子の絵本をもとに紡いだこの物語は、実はキキ以外に裏の主人公がいる。彼女の名はウルスラ。え? 知らないよ、そんな人、と思うかもしれない。それもそのはず、彼女の名前は作中では一度も出てこない。あの人。絵描きのお姉さん。何を隠そう、このお姉さんの声はキキと同じ人があてている。高山みなみさん。江戸川コナンくんの声の人。ひとり二役の意味がないはずがない。ウルスラという名前の由来は(たぶん)聖ウルスラというイギリスの伝説の聖女、女子教育の守護聖人。この人が、「思春期ゆえの壁」という作品のテーマの裏に隠された「作家の悩み」、つまり、つくりてのテーマを体現している。これは小説を書くようになって気づいたのだけど、キキの直面する「危機」と、「作家」が直面する「危機」が、見事なまでに同調している。キキの名は危機から来てるんじゃないかと思うくらい。ともあれ、この映画は壁にぶち当たったときに見ると吉。

小さい頃は神様がいて、不思議に夢をかなえてくれた。荒井由美の「やさしさに包まれたなら」はそうはじまる。

かつて成長痛というのがあった。ぼくは男なので女の子のそれについてはよくわからないのだけど、男の子の場合、急激に伸びる骨の影響で足の関節が痛んだり、あるいはサッカーで胸トラップをすると乳首あたりが痛んだり、という形になって現れた。ノド仏が突出する声変わり、口周り、スネ、ウデ、体毛が濃くなったり、それまでなかったところに毛が生えてきたり。大げさに言えば、成長期とは人生にとっての革命である。何のための革命か? セックスのための革命である。これら体の変化の第一義は子孫を残すためである。そう、身も蓋もない話だ。それまでの人間は、ファンタジーの中で生きていた。コウノトリが子どもを運んでくる世界である。しかし人間は、思春期を経て、身も蓋もないセックス(性)の支配する世界に移行する。実際に異性獲得のための行動に出るにせよ、出ないにせよ、その変化は生物としての宿命なのだ。生存競争という戦争の準備。それが楽しいことのはずがない。すべてのアドレセンスは根本的に痛みを伴うのである。

物語の中で魔女キキは黒猫ジジと喋れなくなる。魔法もうまく使えなくなる。異性を見ればドギマギするし、時にイジワルもしたくなる。それでもそこを乗り越え大人になる。成長。あるいは子どもから大人への変化。それは人間が生きていくことの、そして人類がこれから先も生きていくことの象徴なのである。

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