パチ屋に行くやつはクズ? だから何?

永里蓮

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xyz♯22 
第一章「永里蓮、スロットに出会う」



7月1日(木)

 飲みから帰ってきて、仮眠をとってパチ屋へ。30分程度並ぶも、前にいるのはいつも羽モノを打っている歯の本数の足りないおじさんが2人だけ。パチンコ屋。こんなに気楽な空間がこの世界にあることを不思議に思った。

 前日に出てたハナビの据え置き狙い。設定判別(※スロマガバージョン)をかけた結果、5以上が確定したので食事も取らずに閉店までぶん回す。BIG38REG22と快勝。 


 帰り道、吉野家で牛丼を食べた後、何となくドラゴンボールが読みたくなったので、終電まで開いている古本屋で全巻セットを一気買いした。8000円なり。このマンガを初めて読んだのは物心つくかつかないかの頃で、両親が初めて買い与えてくれたマンガがこれだった。綾香はあまり興味を示さず、トランクスの容姿を褒めるくらいのものだったが、おれにとっては聖書みたいな存在だった。

 マンガは元よりアニメも欠かさず見ていた。一度どうしても外せない用事で出かけた後、帰ってきて母に頼んでいた録画が撮れていなかったことを知った瞬間、おれは初めて死を意識した。「なぜ? どうして?」涙を浮かべて母親を罵倒したのも初めてのことだった。時間は戻らない、ということがまったくもって納得できなかった。


 今から思えば、ビデオ化するのを待つだとか、誰か録画していないか同級生の家を訪ねて回るだとか、色々とやりようもあったのだろうけど、当時のおれはザーボンさんのごとく憤慨することしかできなかった。この世の終わりだ、とまで思った。綾香にすら当たった。何でおまえはドラゴンボールがそれほど好きではないのだ、とか、毎回毎回録画していれば、おれがこんな思いをすることはなかったのに、だとか、たぶんそんなことを言って、綾香からのヒステリック4倍返しを食らうことになって、おれはベッドの中でひっそりと枕を濡らした。刻まれた決定的に格好悪い自分と、それでも「悔しい納得できない」と嘆く自我。
 スロットで勝ったお金でドラゴンボールを一気買い。随分遠くまでやってきたような気がした。

7月2日(金)

 朝方までドラゴンボールを読んでしまい、数時間仮眠を取ってパチ屋へ。
 高校は週三で通えばよかったが、そのすべてに行くのも面倒だったので、適当にサボっていた。特にそれで問題なかった。友だちが欲しいわけでもなかったし、1都3県、広範囲から来る学校だったので、それぞれ住む場所も違ったし。
 昨日のハナビから。前日に仕込んだ※クロスカウンター打法が炸裂。1000円で46回転。据え置きがほぼ確定。食事を取らずに終日ぶん回し、REGの先行するしんどい展開だったものの、BIG29REG37と、最終的にまくって勝利。松屋で牛焼肉定食を食し、帰宅。ドラゴンボールを読み終え電気を消して就寝。明日もハナビが据え置きだったらいいな、と思いつつ。


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※寿注
「スロマガバージョンの判別法」
初代ハナビの設定判別は、大別すると、表を見ながら行うパチスロ必勝ガイド式の判別方法と、コインの手入れ枚数で判別ゲームをコントロールするパチスロ必勝マガジン式の判別方法があった。根っからのガイド派だった寿だが、これに関してはマガジン式を支持。

「クロスカウンター打法とは」
時は20世紀末。当時の台は(すべてじゃないけど)、普通に打っているとバンバン小役を取りこぼしてしまうため(意図的に行えば、すべての小役を取りこぼせる)、救済措置として、取りこぼしが続くと小役が高確率状態になるという特性があった。その状態はリセットでクリアされるため、前日の閉店間際に小役を取りこぼしまくって翌日の開店から打てば、据え置き/リセットがたちどころにわかるという寸法。前日のパンチを翌日自分でくらう。自作自演の判別。それが「クロスカウンター打法」である。


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