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マイナス収支とばかりつきあっていると、プラス収支の気分ってどんなだっけ? 忘れちまったよ。いいな。早くプラス収支になりたいな、とか思う。で、いざプラス収支になってみて、どんな気分? と言われても、こんな気分、としか言えないんだ。これこそが人間の精神の性質、つまり、ないものねだりなのですね。

好きなあの子とつきあいたい。あの子とつきあうんだ。絶対。
意を決して告白する。「好きです。つきあってください」
「いいですよ」

やばい。超嬉しい。ねえ、どんな気分? 最高です。

1日後  ねえ、どんな気分? 最高です。

10日後 ねえ、どんな気分? だから最高だって。

1ヶ月後 ねえ、どんな気分? うるせえな。

半年後 ねえ、どんな気分? 何の話だよ。

……確率論的に言えば、これこそが恋愛の期待値(平均値)である。人間は少数の例外ばかり目指そうとするけれど、叶ってしまった夢はただの現実であり、現実の特性は劣化である。それが「エントロピー増大の法則」というものである。

酔っ払ってみたい! 酔っ払う。ねえ、どんな気分? こんな気分。
テレビに映りたい! テレビに出る。ねえ、どんな気分? こんな気分。
万枚出してみたい! 万枚出してみる。ねえ、どんな気分? こんな気分。

この世界には持続可能な興奮というのは存在しない。あったとしたら、それは興奮とは言わない。
となれば、持続可能性を求めるには、「目標」を設定する以外にない。これがぼくの目標依存告白である。

欲望には際限がない。
収支がプラスの気分を味わってみたい。収支がプラスになる。
→次は収支そこそこプラスになりたい。
→その次は、収支けっこうプラス。
→その次は収支めっちゃプラス。
際限がない。

しかしながら、Xという限界点は必ずやってくる。どれだけ遅漏でもいつかは射精にいたる。スロットで言えばピン稼働、かつ正攻法で稼げるのはせいぜい年に1000万みたいなポイントがやってくる。

そのXとは何か? 人それぞれ違うはずだが、そこを超えた後待っているのは楽しいことではない。かつて神童と言われた人間、あるいはかつてのスーパースター、かつての美少女の「現在」が物語るように。

というわけで、35年生きてきて気づいたことは、幸せなんかを探すよりも、目指すべき目標がある方が遥かに幸せであるということ。目標さえあれば、人間はどんなところでも生きていけるということ。

では、目標とは何か? 究極的に言うと、「思い通りにいかないこと」である。思い通りにいく人生ほど味気ないものはない。思い通りにいきそうで、思い通りにいかないこと。それを少しずつクリアしていくこと。これこそが、倦怠と停滞の末の悲劇、自殺を選ばないために必要な心構えである、と世間から見向きもされないスロ小説家は考えている。
 
絶対に振り向いてくれない異性に依存するよりも、絶対に人間性を獲得しないお金に依存するよりも、「目標」に依存すべきだ。目標はいつもそばで見守ってくれる。自分が見失わない限り。自分から捨てない限り。

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