※若葉編。
小説に続き、今夜は映画。ものっそいメジャーではあるけれど、十代か二十代前半の鑑賞者のその後の人生を変えうるパンチ力をもった作品を紹介。



1、「ニューシネマパラダイス」

映画の(あるいは人生の)魅力がすべて詰まっている。できれば最初は完全版ではなく、劇場版(スーパーハイビットエディション)を見たほうがいい。劇場版を何回か見て、思う存分泣きはらした後で完全版を見れば、また、そうだったのか、とじんわりと。リバイバル上映を映画館で見たときは、ひとりで見てた寿を観客の涙の音で集団催眠状態に陥らせた傑作w

これを見終わった後に同じゴールデンコンビ(監督&作曲家)のこの映画を見たら、ぶっ飛ぶこと請け合い。→鑑定士と顔のない依頼人について
そう来る? マジ、人生ってすげえ! とぶっ飛ぶ。

 

2、「レオン」

この映画を見てロリコン映画だ、キショ、と抜かすやつがいたら、嗚呼かわいそうに、と思う。どうしてかわいそうなのか。この映画を見てレオンとマチルダを応援したくならない心境に至るのは数学の難題を解くよりも難しいからだ。ともあれ、この映画も完全版は劇場版の後で見たほうがいい。リュック・べッソンの、そしてジャン・レノとナタリー・ポートマンの名を歴史に刻んだ記念碑である。

 

3、「スタンドバイミー」

小説の原題は「The body(死体)」

小学生4人組が、家を抜け出て死体探しの旅に出る。「死体捜そうぜ!」「イエイ!」おかしいだろw
いや、それだけ娯楽のない閉鎖的な町の物語。出色なのは、ハリウッドの映画なのに、女性がほとんど出てこないこと。戦争ものを除けばそんな映画ってけっこう珍しい。女性が出ないにもかかわらず、女性に人気があったのは、腐女子心を踊らされるからなのかしらん。寿世代の小学生は男も女もほぼ全員この映画を見て、ラリパッポラリパッポラッリラリラリ、という歌を掃除の時間とかに歌っていたw
「バボンボンボン♪」
ああ、リバー・フェニックス。一言で言えば、完璧なジャイアンである。

 

4、「魔女の宅急便」

宮崎駿が角野栄子の絵本をもとに紡いだこの物語は、実はキキ以外に裏の主人公がいる。彼女の名はウルスラ。え? 知らないよ、そんな人、と思うかもしれない。それもそのはず、彼女の名前は作中では一度も出てこない。あの人。絵描きのお姉さん。何を隠そう、このお姉さんの声はキキと同じ人があてている。高山みなみさん。江戸川コナンくんの声ね。ひとり二役の意味がないはずがない。ウルスラという名前は(たぶん)聖ウルスラというイギリスの伝説の聖女、女子教育の守護聖人から取られている。この人が、思春期ゆえの壁、という表テーマの裏に隠された「作家」の悩みというテーマを体現している。これ、小説を書くようになってから思ったのだけど、キキの直面する「危機」と、「作家(あるいは広義のクリエイター」)が必ず直面する「危機」が、見事なまでに同調している。キキ、の名は危機から来てるんじゃないか、と思うくらい(それはない)。ともあれ、壁にぶち当たったときに見ると、吉。

 

5、「コンタクト」

ジョディ・フォスター主演のSF作品。
実はあのしのけんさん(ザ・スロッター)がこの映画をお勧めしてて、え? おれ、映画館に見に行ったはずだけど、そんな感想だったかなあ、と思って改めて見てみると、これがズバピタ。何だよ。一体全体映画館に行ったとき(高校二年生)のおれは何を見てたんだ、と言いたくなるくらい、主張のはっきりした映画だった。そう、しのけんさんが面白がるはずだ。この映画の構図は、期待値スロッターとオカル(トスロッ)ターの聖戦とまったく同じなのだ。

主人公は科学者であり、無神論者である。が、この科学者の人生に、再現性不可能なできごとが訪れる(それも、北海道でw)。そのとき、彼女はどうしたか? とても地味だけど、いい映画だなあとしみじみ。レズビアンを告白した人がラブシーンを演じるのは嫌だったんだろうなあ、とかそんなことを考えたりも。

 

6、クリストファー・ノーランの「バットマン三部作」

あのスケールの作品で、三作が三作とも違うタッチでそれぞれ素晴らしい三部作って今まであった? 特に第二作「ダークナイト」は映画史に残る大傑作。時間が経てば経つだけバットマンが疲弊していくのも興味深い。
「メメント」
「インセプション」
「インターステラー」
今現在、最も期待値の高い監督であるクリストファー・ノーラン。次に手がける作品の公開は2017年だそうです。

 

7、「バッファロー66’」

ヴィンセント・ギャロがクソかっけえ。繊細すぎて。クソすぎて。ダメ男って何で魅力が出ちゃうんだ? たぶん賢しらな人間よりも死に近いからだと思う。が、クリスティーナ・リッチがいなければ、あのダメ男のダメっぷりはたぶん軽減されていたはず。天使がいるからダメ男はさらにダメ男になり、作品になりうる。まあ、スロッターは全員、ヴィンセント・ギャロと血がつながってるところあるかもねw

 

8、「スナッチ」

これは個人的な理由。
どうしてガイ・リッチーはあんなにたくさんの登場人物の描き分け(見せ分け)がキチンとできるんだろう? 大勢の登場人物が代わる代わる活躍する物語の教科書。

ヤンキーマンガ好きな人は絶対に好き。ブラピ好きは必見。バイレンス嫌いとブタ好きは見ちゃダメ。そんな映画。

 

自分探しをするくらいなら、映画を見よ。映画好きがこじれて俳優を目指して失敗した男(スロ小説家寿)の言葉である。

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