この夏休み日記のテーマのひとつに「不満」がある。おそらく日記の主目的は現状の確認であり、現状とは不満という形で表出することが多い。現状の肯定を言語化したところで大した意味はないからだ。

おれはさいこうおれはさいこうおれはさいこう。というのは、裏返しの不満である。現状に足りていないものをつまびらかにするからこそ、よりよき明日を目指すことができる。

閑話休題。何でもそうだが、入ってくるものの質で、出るものが決まる。「よい文章を書くためにはよい文章を読め」あるいは「よい書き手はよい読み手である」という格言はそのことだろうし、バイクにしても車にしても、エンジンのパフォーマンスを引き出すのは、そのエンジンに最適なガソリンとオイルである。が、 贅沢三昧で脂肪がたまったり、尿酸値が上がって通風になったら目も当てられない。

どうすればいいか? とりあえず入れたものを出そう。停滞は死だ。とにかく動こう。

「人の文章を読む」
自分の文章を書く。

「誰かの撮った映画を見る」
自分の文章を書く。

「誰かの描いた絵画を見る」
自分の文章を書く。

「誰かの歌を聴く」
自分の文章を書く。

「誰かの描いたマンガを読む」
自分の文章を書く。

「読みかけの本がなかなか頭に入ってこない」
文章を書く。

「不味いものを食べた」
文章を書く。

「二日酔いで死にそうだ」
文章を書く。

「スロットに負けた」
文章を書く。

ぼくが文章を書いているのは、受け取ったものを自分の中でとどめておけないからだ。何よりぼくは、インプットよりもアウトプットを楽しいと感じるからだ。

ストレスを何かに換えて出す。哀しみを何かに換えて出す。錬金術。-を+に換える。