IMG_9637

起きてみて、あれ? 寝てる間に瞬間接着剤でも飲んだかな、と思う。とてもじゃないけど唾が飲み込めない。これはやばい、と思う。体調うんぬんはよくわからない。とにかく、このノドを何とかしなければ、ぼくは息を吸えない。栄養を摂取できない。

昨夜、(少し体調がよくなったことに)油断はなかったか? なぜ加湿器のスイッチを切ってしまったのか? 昨日えらそうなことを言った結果がこれか? そんな後出しジャンケンのような思考に首を振り、加湿器をつけた。首にマフラーを巻き、そして、水をレンジで温めて、ゆっくりと飲んだ。シリアル(フルーツグラノーラ)に牛乳をかけてもしゃもしゃと食べ、それらを食べきった後、炎症を止めるにはどうすればいいかを考え、化膿止めを飲み(素人考え)、歯を磨き、マスクをつけて眠った。

奇妙な夢をいくつか見て、起きた。マフラーのせいか少し暑い。が、ノドの痛みは少し軽減されていた。ただ、こんな状態じゃパチ屋には行けない。

体調が悪いとき、決まって思い出すこんな台詞がある。

人は自分の死を予知できず、人生を尽きせぬ泉だと思う。 だが、物事はすべて数回起こるか起こらないかだ。 自分の人生を左右したと思えるほど大切な子供の頃の思い出も、 あと何回心に思い浮かべるか? せいぜい4、5回思い出すくらいだ。 あと何回満月を眺めるか? せいぜい20回だろう。 だが、人は無限の機会があると思い込んでいる。

映画「
シェルタリングスカイ」より

こういう言葉は(あるいは文章は)、病気になってみないと出てこない類のものである。

健康なとき、体調を崩した自分をうまく想像できない。ゴクゴクとビールを飲めるし、まさかそのノドが接着剤で固められる日が来るなんて考えもしない。ビールは天使の祝福のようにノドを通り過ぎていくのだから。
今はスロットで稼ぐことが比較的容易にできる。だがしかし、状況は変わる。環境も変わる。そのときに今と同じように稼げる保証はない。
息を吸って吐くように文章を書いている。その尽きせぬ泉が枯れることなど考えられない。

だまらっしゃい。

ぼくは元来、楽観的な性格である。だから病気のときや、スロットで大負けをすると、一風変わったものが書ける。そう思えば病気も儲けものである。今しか考えられないことを考えるための。今しか書けないことを書くための。

ブログランキング・にほんブログ村へ 


人気ブログランキングへ