ぼくはダメな人間です。
時々、いや、けっこうな頻度で嫌になります。特に酒を飲んだときのダメさかげんは筆舌を尽くしてお知らせしたいくらいの人間です。
でも、そんな酔っ払いでも、落ち込むことがあります。

ちょっと前の話。
なじみの店でワールドカップを見ながら飲んでました。
 
「ぶっちゃけさあ、店主はサッカー好きなの?」
ぼくはサッカーを見つつ杯を傾けつつ何気なくそう言いました。店主の言った何かが気になったのだと思います。でも、特に意味のあるような言葉ではありませんでした。しいて言えば、ちょっと強めのパスという感じでした。
「は? 何その言い方?」店主はぼくの蹴ったボールをトラップすることなくタッチラインの外に出し、そのことを責めるように、けっこうな剣幕でぼくに言いました。
「え? 何が?」
「おまえさあ、オレのことなめてるだろ?」
「は?」
「なめてるだろ?」
「はい?」
「だからなめてるだろって」
「なめてないですよ」 
「いや、なめてるね」
「つうか何の話? おれ客よ」ぼくは笑顔でそう言いました。
「客だったら店主にタメ口でもいいのかよ?」
「はい?」
「その言い方が腹立つって言ってんだろ」
「意味わかんないし」
「その言い方だって」
「いや、なめているつもりはないですけど」
「ふざけんなよ、おまえ」店主
「そう、ですか……」寿
金置いて出てきました。

外に出て、誰も歩いていないのをいいことに、(2メートルの距離で聞こえるくらいの小さな声で)「あああああああああああ」と叫びました。

たぶん相対的に見るとぼくが悪いんですよね(そこはぼくの店ではないわけですし)。でも、ぼくにとっては晴天の霹靂なんですよね。だって出会ってからその人とぼくはずっとこんな感じだったんですから(ああ。最初から嫌だったってことか……)でも、客をおまえ呼ばわりする店主の態度もどうなの? 

ぼくにとって、タメ口は親愛の証でした。
彼にとって、タメ口は侮辱の証だったのでしょう。

その人は酒を飲みながら接客する人でしたし、どこか虫の居所が悪かったのかもしれません。

…… 

かなり昔の話ですが、こんなことがありました。

理不尽なことを言われた話

ぼくは自分が悪いと思っていないことで謝ることができません。

でもたぶん、それは社会人のふるまいではない。

もちろんぼくだって、それが仕事なら問答無用で謝ります。現に今、パチンコ屋の中でぼくはクルペッコみたいにペコペコしてます。自分が悪くなくてもモウマンタイで謝ることができる。なぜならそれが仕事の一部だから。

でも、プライベートでそんなことはできない。
謝れよ。と強要されて謝ることはできない。
そんなことをしてまでその人間との関係を続けたいとは思えない。
クソガキのまんまなんですね。
傲慢ですね。ダメですね。でもその責任は全部自分に返ってくるわけで。それはもうしょうがないと割り切るしかない。

ぼくは今、所属がない状態ですが、組織に属していた時期もあったわけで、当然、仕事以外でもそのコミュニティの人間関係を持続させることが求められたわけで、そうすると、やはり汲々としてしまうことが多々ありました。心身ともに弱ってしまう。酒の味はただ苦いだけ、その会話はただつらいだけ、その笑顔はただ形だけ。

そんなことを思い出しながら歩きました。で、コンビニで酒買って、帰ってワールドカップの続きを見ようとしたら、試合が終わってました。

……人間関係って難しいですね。

嗚呼、愛すべきパチ屋の喧騒の中のぬるま湯のような平穏。

ブログランキング・にほんブログ村へ 
人気ブログランキングへ