書くこと、賭けること

書くことを賭ける。賭けることを書く。とどのつまりは遊び。Life is the gambling you know?

「寿という言葉は経験による人の円熟という意味に使われていた」
「成功は、遂行された計画ではない。何かが熟して実を結ぶ事だ。其処には、どうしても円熟という言葉で現さねばならぬものがある。何かが熟して生れて来なければ、人間は何も生むことは出来ない」

小林秀雄「考えるヒント」より

小説家という最後の仕事

肉体を殺すことが出来ても、魂を殺すことが出来ない者を恐れるな

イエス・キリスト

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不倫騒動の渦に沈んでいったかに見える乙武弘匡氏に向けて、瀬戸内寂聴がこんなことを言っている。

「これから生きのびるには、小説家になるしかないのでは。小説家は不倫をしようが、色好みの札つきになろうが、その恥を書きちらして金を稼いでもどこからも文句は言われないよ」

かつて知事をつとめた人の本にも、「作家は人を殺したってそのことを書けばいい」というような言及があったが(うろ覚え)、それは極論にしても、世界から孤立してもできること。一人ぼっちになって初めてできること。それが文章表現である。

おれは(ぼくは、僕は、私は)過去を肯定したいわけじゃない。否定したいわけじゃない。現実がつくられた過程を披瀝(ひれき)し、今ここにある世界を更新したいだけだ。過去をなかったことにはできない。過去から目をそらすわけにはいかない。おかえりなさい。ただいま。

過去を振り返って思うのは、普通だな、ということ。まったくもって特別な体験をしていない。或る特別な使命があって行動したわけじゃない。悪意ある運命に抗うための行動でもない。結局、おれは求めてしまうのだと思う。心の欲するものを。体の望むものを。ただし、特別じゃないにしても、おれの手足は他人を傷つけ、自分を傷つける刃(やいば)になった。その傷は癒えることなく、鮮血を流し続けている。ジャングルジムはいつだって血にまみれている。おれはかつての仲間たちを許すことはできないし、小学生の頃の親友もおれを許すことはないだろう。

どうすれば不毛なジャングルジムをつくらなくて済むだろう?

ジャングルジムの別名を既得権益という。その運用体系のことを政治という。たぶんおれにはその才能がない。というか熱意がない。土台、社会は理不尽なものだ。どんなスペースにも既得権益が張り巡らしてある。ジャングルジムと関わらない人生はない。でも、ジャングルジムをつくらずに済む道はあるかもしれない。不浄なるジャングルジムをぶっ壊す。そんな光景を望む人=読者だっているかもしれない。そうだ。おれは寿という虚名で、虚構のジャングルジムを粛々と破壊していこう。

欲望を否定したところでどこにも進めない。しかし何かを手に入れた刹那、人は守りに入る。欲望は攻撃的であり、生存本能は守備的なものだ。文章を書いているときだけは前者にゼンツしたい。希望をもらった。呪いをもらった。ありがとう。さようなら。ジャングルジム、壊しに来たよ。

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夏休みの宿題2016「欲望」 終
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【朗報】甲賀軍10-0、レア小役なしで完全勝利達成!

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今月はちょっと張り切りすぎた感あり。疲れて帰ってきて、さあ、稼動日記だ、という風になかなかならない。けどそれも後少し。そう思うとさびしいような気もする。


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幸せって何だっけ?

肉体を殺すことが出来ても、魂を殺すことが出来ない者を恐れるな

イエス・キリスト

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どこにいっても同じことのくりかえしだった。衝突。融合。おれはただ自分の幸せを求めただけだった。が、ジャングルジムをめぐる闘争は終わらなかった。


とはいえ、奇跡みたいなことだってあった。恋の季節、公園でワキャキャした女の子に高校生になって再会したのだった。小学5年生のおれに夢みたいなものはなかった。大人になったら自動的に家業を継ぐものだと思っていたし、特に希望のようなものはなかった。しかし彼女に対する思いは別だった。真剣だった。ずっと一緒にいられますように。神様。みたいなことすら願っていた。しかしそれは過ぎ去った過去だった。

恋の季節から5年経ったある日、その彼女から告白された。おれが何と返答したかというと、……覚えていない。ちょっと待って、とかだったと思う。なし崩し的に付き合うことになった。夢にまで見た女性との邂逅は、しかし小学生のおれが望んでいたものではなかった。というよりも、16歳のおれが11歳のおれではなかった。

付き合って半年が経過した頃のこと。
「ねえ、家出してきちゃった」
そんなパンチラインをくらったのは生まれて初めてだった。知り合って間もない女性だった。真冬だった。16歳のアオハルユースに帰れなんて言葉は出てこなかった。それは一夜のみの秘事であったが、数ヵ月後、小5時分の憧れの君とは別れることになった。理由は覚えていない。


ここまで書いて、全部一緒やないか、と思う。

おれはただ自分の幸せを求めただけだった。が、おれにとって都合のよい世界は誰かにとって都合の悪い世界だった。男も女もみんなそう。人間の欲しがるものが似通っている以上、誰かの幸せは誰かの犠牲の上に成り立っている。幸せを求めることが不幸せの入り口だとしたら、人生のどこに救いがあるのだろう?


つづく
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8/30

夏休みの宿題2016
作者 寿
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ふと思う。スロ歴ってどれくらいなんだろう? 今年で20年? そんな経つ? ピーいれたいね。スロットばっか打ってるわけじゃなくて、普段は小説書いてんすよ。ちっとも売れないけどね。つうか売ってないしね。けどこのブログだと読めんすよ。フォウ!

ブログポリシー「my rights sometimes samurai!」
当ブログは、寿という人でなしが小説を書くなかで、
また、スロットを打つなかで、トレードをするなかで、
はみ出たものを一所懸命につづったものです。
基本的に毎日更新してはいますが、
毎朝グビグビ飲めるというほどあっさりした、
また、健康的な文章ではありません。
油ギトギトのラーメンというほどではないと思いますが、
胸焼け、食あたりを起こす可能性がある由、ご留意くださいますよう。

また、コメントは大歓迎です。
引用ももちろん大歓迎ですが、引用元の記事を明記していただけると幸いです。
それでは今日もはりきってまいりましょう! どこへ? チャートの世界へ。
1日1回のポチを。
血がたぎります。

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