書くこと、賭けること

どうもはじめまして。スロ小説家のブログです。

すべての書かれたもののうちで私が愛するのは、自分の血で書かれたものだけだ。
血で書け。そうすればきみは、血が精神であることを経験するだろう。

フリードリヒ・ニーチェ 永井均訳
「ツァラトゥストラはこう語った」
読むことと書くこと、より

週刊我評第二十八週「騙されるのは誰のせい?」

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汝ら、この門をくぐる者は一切の希望を棄てよ

その門にはそう書いてある。ダンテの書いた「神曲」地獄篇に出てくる地獄の入り口である。


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第百七十五話「無職、忍者を目指す。~バジでこけたら、モンスターをこかしにいこう~」

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第百七十四話「甲賀忍法帖を久しぶりに読んだので、バジリスクの元ネタをあげていく」

粛啓 朧殿 蝉の声に暑さを覚える今日此頃、いかがお過ごしでしょうか。来世で弦之介殿とは出会たでしょうか。ふたりの邂逅をただただ祈っております。粛言 寿之介

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近頃めっきり絆で勝っていないことは置いておいて(笑)、アニメを見た後で久々に原作小説「甲賀忍法帖」を読み返して気づいたバジリスクのトリビア集をお送りします(バジリスクに興味のない人はすいません(´・ω・`)。

 1、夜叉丸の武器の詳細

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”女の黒髪を独特の技術でよりあわせて、特殊の獣油をぬった縄”


特殊の獣油って何のことだかさっぱりわかりませんけど、エロいですね。


2、死に候えというセリフを口にしたのは服部半蔵

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”「ゆるす、ゆるす。先代がそなたらにかけた誓いの手綱をいま解くぞ。甲賀か、伊賀か、勝ちの帰するところ、恐れ多くも将軍家の天命をさずかりたもうおん方がきまるのじゃ。いまだかつて、これほど大いなる忍法の争いがあったか。よろこんで死に候え」”


元々伊賀の首領だった家柄のくせに、むごいことを言います。


3、アニメではシークレット扱いだった薬師寺天膳の謎が登場シーンからほのめかされる
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”とにかく異様な老齢を思わせる魔性の印象が、この男にあった。

 伊賀のお幻一族で、お幻がひとりだけ対等にあつかっていた薬師寺天膳という男である。

 いったい、彼はいくつなのか。いま彼をとりまいてうずくまる五人が、小豆蝋斎をもふくめてすべて子供のころから、彼はいまと寸分変わらぬ薬師寺天膳であったのだ。このとおりの若いノッペリした顔をして、しかも四、五十年もむかしの天正伊賀の乱の思い出ばなしなどを、よくお幻さまと話していた記憶がある。”


何はともあれ、徐々に能力が判明していくというのは、今現在のバトルマンガでもよくある構造ですが、この小説は50年以上も昔ですからね。すごい。


4、地虫十兵衛の登場シーンのインパクト


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ゴロリところげだした地虫十兵衛の姿をみて薬師寺天膳以外のものは、みんなあっとさけんだ。十兵衛の両腕はなかった。両足もなかった。それは巨大な一匹の芋虫であった。天膳以外の伊賀の忍者たちは、地虫十兵衛がこういう男であることを、だれも知らなかったのである。

 四肢なき忍者。行動の機能を喪失した忍者。ゴロリと達磨みたいにころがっただけの忍者。――かかる忍者が、この世にありうるか。”


変身(カフカ)のザムザか、と思いました。


5、Q.風待将監の吐くあれは何なのか? A.唾液


”風待将監の吐く物質はいったい何なのか。それはやはり唾液であった。人間が一日に分泌する唾液は千五百㏄におよぶ存外大量のものである。思うに将監の唾液腺は、これをきわめて短時間に、しかも常人の数十倍を分泌することを可能としたものであろう。しかもそれにふくまれる粘素(ムチン)が、極度に多量で、また特異に強烈なものであったと思われる。ここまでは異常体質としても、それを息と頬と歯と舌で、あるいは粘塊として吹きつけ、あるいは数十条の糸として吹きわけるのは、やはり驚嘆すべき練磨のわざだ。”


※(かっこない)のルビは寿。

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ただの変態ではなさそうです笑 


6、蛍火の能力はけっこうえぐい

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”蛍火はこの地上のありとあらゆる爬虫昆虫を駆使するのであった。蛇をつかうのは、彼女にとって、ほんの小手業にとどまる。”


これ、インドネシアに行ったらコモドドラゴンを操れるし、南米のジャングルに行ったらアナコンダや軍隊アリ、あるいはヤドクガエルも操れるんですよね。能力だけなら全忍者中最強疑惑(笑)。


7、作品のキーアイテム「人別帖」のことを、文中で”選手名簿”という言葉で表現している箇所が複数ある


山田風太郎は、歴史を扱った小説に現代語を取り入れたパイオニアらしく、江戸時代の話でも、相手との距離は~メートルと表記する作家でした。

浅田次郎も感嘆していましたが、

丈(3.03m)

尺(30.3cm)

寸(3.03cm)

分(3mm)

というように、当時の単位を使いたくなってしまいますよね。


※人別帖とは、江戸時代の戸籍簿のこと。作品においては、お幻婆のタカがくわえていた巻物を指しての言葉。

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8、陽炎はお嬢様

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”この卍谷で甲賀弾正家につぐ家柄の娘で陽炎という。”

といっても、組織のナンバー2にはとても見えませんね。 男女不平等の時代です。


9、小四郎の吸息旋風かまいたちの正体

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”強烈な吸息により、ややはなれた虚空に小旋風をつくる。その旋風の中心に真空が生ずるのだ。この真空にふれたが最後、犠牲者の肉は、鎌いたちに襲われたように内部からはじけ出すのだ。”


てっきり急速旋風かまいたちだと思ってました(汗)。吸ってるんですね笑


10、甲賀弦之介の瞳術とは

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 甲賀弦之介の「瞳術」とは何か?

 それは強烈な一種の催眠術であったといえよう。いかなる兵法者、忍者といえども、相手をみずして相手を斃(たお)すことはできない。しかも、弦之介と相対したとき、見まいと思っても、目が、弦之介の目に吸引されるのだ。一瞬、弦之介の目に黄金の火花が発する。すくなくとも、相手の脳裡は火花のちったような衝撃をうける。次のせつな、彼らは忘我のうちに味方を斬るか、あるいはおのれ自身に凶器をふるっている。弦之介に害意をもって術をしかけるときにかぎり、術はおのれ自身にはねかえっているのであった。”


※(かっこない)のルビは寿。


11、甲賀弦之介から伊賀鍔隠れ衆に送った果たし状の全文


”服部家との約定、両門争闘の禁制は解かれ了(おわ)んぬ。

 されど、余はたたかいを好まず。またなんのゆえにたたかうかを知らず。されば余はただちに駿府にゆきて、大御所または服部どのにその心をきかんと欲す。あえて人別帖を返すはそのためなり。同行するものは余以下、霞刑部、如月左衛門、室賀豹馬、陽炎の五人。

 ゆえに、なんじら卍谷に来るといえども、余らすでに東海道にあり。血迷うて余人を殺傷するときは、また鍔隠れに全滅の天命くだると知れ。

 余はあえてたたかいを好まざるも、なんじらの追撃を避くるものにあらず。なんじらいまだ七人の名をのこす。駿府城城門にいたるまで、甲賀の五人、伊賀の七人、忍法死争の旅たるもまた快ならずや。なんじら余らをおそるることなくんば、鞭をあげて東海道に来れ。

 伊賀鍔隠れ衆へ

             甲賀弦之介  ”


※(かっこない)のルビは寿

「されど、余はたたかいを好まず。またなんのゆえにたたかうかを知らず」という箇所は、理想主義者としての弦之介の心象を表しているようで、文章で読んでもじーんときますね。

しかし文章を最後まで読むとわかるとおり、この手紙は要は「相手したるから(びびっとらんのやったら)ごちゃごちゃ言わんと東海道に来いや」ってことなんですよね。これを耳にした朧の心中はいかばかりだったでしょうか。胸が痛みます。


 12、陽炎、出生のえぐい秘密


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”甲賀卍谷の男たちに、この谷に住む忍者が、だれがいちばん恐ろしいかときけば、彼らはちょっと考えて、それから異様な笑顔になって、それは陽炎(かげろう)だとこたえるだろう。

 口から槍の穂を吹く地虫十兵衛(じむしじゅうべえ)にあらず、蜘蛛の糸を張る風待将監(かざまちしょうげん)にあらず、全身鞠のごとく膨脹し、また縮小する鵜殿丈助(うどのじょうすけ)にあらず、万物の形状と色彩中に没入する霞刑部(かすみぎょうぶ)にあらず、泥の死仮面によって、自在に他人の顔となる如月左衛門(きさらぎさえもん)にあらず、全身吸盤と化するお胡夷(こい)にあらず、さらに、あらゆる術を術者自身に酬わしめる瞳術をもつ甲賀弦之介ですらない。

 それは実に、死の息吹をはなつ陽炎であった。

 そして、恐ろしいのは、彼女が美女だということだ。しかも、彼女が死の息吹をはなつことを熟知し、一族に峻厳な統制力をもつ甲賀弾正の支配下にあり、そのうえ強烈な自制力をもつ男たちでなければたえきれぬほどの。――

 さすが伊賀の薬師寺天膳にも、陽炎の秘密がわからなかったのもむりはない。陽炎の息吹は、つねに死の匂いをふくんでいるのではない。ただ彼女の官能に点火されたときにかぎったのだから。

 これは、陽炎にとっても実に悲劇だ。彼女は結婚生活というものをもつことはできない。ある種の昆虫には、交尾のクライマックスで雄をくいころす雌があるが、彼女の母もそうであった。法悦のあえぎの吐息を吸って、三人の男が死んだのだ。そして陽炎は、三人めの男によって生まれたのである。

 三人の犠牲者は、甲賀弾正によって命ぜられた。それはただこの恐るべき遺伝の血脈をつたえんがためだ。そして甲賀卍谷の宿命として、彼らはすべてよろこんでこの奇怪な種つけの祭壇にのぼったのである。――

 陽炎は成熟した。やがて、母とおなじように、女子が生まれるまで、彼女に何人かの犠牲の男たちが選ばれるはずであった。事実、弾正がこんど駿府へ旅立つ以前に、だれかしらその候補者の腹案があったようなふしがある。夜々、しばしば卍谷の囲炉裏ばなしで、若者たちがそのことについて語りあっていたくらいだから。

 陽炎と三三九度の盃をかわすことは、すなわち死の盃をのむことである。それはもとより恐ろしい。恐ろしいが、若者たちにそれを避けようとするものはひとりもなかった。むろん神聖厳粛なる卍谷の掟が、彼らに服従を命じる。しかし、それ以外に、死をもってしてもいちど彼女と交わりあいたいという欲望をかきたてるものが、たしかに陽炎にあったのだ。華麗な食虫花にひきよせられる虫のように。

 いや、例を虫にたとえるまでもない。人はこれをわらうことはできない。この世のあらゆる女が、青春のいっとき別人のように爛漫と匂いだして、この世のすべての男が、盲目的にその魔力の虜となるではないか。結婚というものが、これと大同小異の神の摂理によるものではないか。”


※(かっこない)のルビは寿


山田風太郎さんは何か女性に関して痛い目にあったことがあったのでしょうか? 時代が違うとはいえ、随分な女性嫌い(ミソジニー)的記述です(笑)。


13、室賀豹馬の瞳術の異称は「猫目」

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室賀豹馬の瞳術は夜にしか使えません。 
「見よ。豹馬」 

ニャー。
 

14、忍者は隣に居る相手にしか聴こえない声で喋ることができるらしい


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”相手の鼓膜にしか届かない忍者特有の発声法”


超能力というか、むしろテレパシーですね、これは笑


15、朧の肩にはいつも鷹が止まっている(室内でも)


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バジリスクではタカは人間を、いやむしろ物語を超越した一種のメタ的な存在として描かれていますよね。スロットの場合もしかり。高確が確定したり、激熱を携えてきたり(笑)

でも、いかつい鷹を肩に乗せる愛くるしい女子というのは、小説における朧のキャラクターのひとつです。鷹ガール。ソフトバンク女子みたいですね。
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ドーン。 


16、サディスト天膳の針地獄


”ながれる銀線。――陽炎のこの世のものならぬ苦鳴。

 それは、小さな吹針であった。薬師寺天膳は、遠くから針で一本ずつ、陽炎の肌に文字をかいてゆくのだ。

 ただの針でさえ、文字どおり針地獄なのに、そのうえまたこの針には特別の毒でもぬってあるのか、たとえ片腕斬りおとされようと悲鳴をあげぬ甲賀の忍者陽炎が、瀕死の美しい獣のようなうめきをしぼる。すでに彼女は、浜松での、阿福一行の武士たちとの争闘でふとももに重傷を受けている。その目はかっと見ひらかれたまま虚になり、ただ針が一本ずつつき刺さるたびに、その刺し傷に生命がよみがえって、たえきれぬ絶叫をあげるのであった。”


完全なる変態の所業です。

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17、物語の終焉の日

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”――慶長十九年五月七日の夕。

 それは豊臣秀頼が、いよいよ大仏殿供養を行なおうとして、その命をうけた片桐且元が駿府に下って、家康にそれを告げた日であった。”


史実では、この後、家康がとんでもないいいがかりをつけて、豊臣家を滅ぼしてしまいます。

これが世に言う大阪の陣(「大阪冬の陣」「大阪夏の陣」)であります。

夜叉丸と風待将監が駿府城で相対したのが慶長十九年の四月末だったので、この物語はわずか10日ほどを描いたお話ということになります。


合掌。 


18、浅田次郎が解説するギャンブルと甲賀忍法帖のマッチング


”ところで、私はこの『甲賀忍法帖』を、いっけんミスマッチこのうえないラスベガスで読了した。

 卒直な感想を申し上げれば、ラスベガスと『甲賀忍法帖』は少しもミスマッチではなく、まことにあいふさわしい組み合わせであったというほかはない。

 たとえば幼いころ、押入れにこもって懐中電灯のあかりを頼りに乱歩を読んだ記憶と同じぐらい、胸がときめいた。

 なぜかと訊かれても困る。あえて説明を加えるなら、ラスベガスという砂漠のただなかに突如としてある非日常、そこはあまりにも、山田風太郎作品の持つ非日常性に似合うのである。

 時差ボケと疲労とで正体のなくなった体を、トレジャー・アイランドのプール・サイドで休める。トロピカルなドリンクを飲みながら、デッキ・チェアで常夏の陽に灼かれ、『甲賀忍法帖』を読む。

 これこそ山田風太郎の正しい読み方であると、私は信じて疑わない。

 ひとまず本を閉じ、トラムに乗ってミラージュへ。巨大なカジノで思考停止のまま散財。しかし散財の認識などてんでない夢心地で、古代ローマの宮殿を摸したシーザーズ・パレスでまたしても大散財。

 国籍不明の料理をたらふく食い、この世のものとは思われぬマジック・ショーを見物したのち、クジラのようなリムジンに乗って再びトレジャー・アイランドに戻る。

 スイート・ルームのベッドに横たわって開く、『甲賀忍法帖』。

 何ら違和感なく、私は物語の世界にすべりこむ。たちまち簔念鬼のごとく髪の毛を逆立て、地虫十兵衛とともに地を這い、霞刑部のように壁に溶け入る。死を覚悟して陽炎を抱き、朧の瞳に恋をする。

 ああそれにしても――このキャラクター造形は、いかなラスベガスの演出家たちといえど、足元にも及ばない。

 もし私に千億の金があれば、『甲賀忍法帖』をモチーフにした巨大カジノ「NINJYA」を、ルクソールの並びに建ててやる。

 社会や人生をリアルに描き、身につまされる感動を読者に与えることもひとつの方法だ。

 しかし砂漠の不夜城のごとき非日常の世界に、読者を連れ去る小説はすばらしい。

 ともあれラスベガス旅行の折には、パスポートとともに山田風太郎をお忘れなく。”

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甲賀忍法帖がバジリスクになり、アニメになり、パチンコになり、スロットになり、版を重ねているのも当然なのかもしれませんね。
今回はこのへんで。


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作者 寿
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ふと思う。スロ歴ってどれくらいなんだろう? 今年で20年? そんな経つ? ピーいれたいね。スロットばっか打ってるわけじゃなくて、普段は小説書いてんすよ。ちっとも売れないけどね。つうか売ってないしね。けどこのブログだと読めんすよ。フォウ!

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基本的に毎日更新してはいますが、
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また、コメントは大歓迎です。
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